前向きな後向き

商品名 Twist Chair
デザイナー Miray Oktem
参照URL http://www.behance.net/mirayoktem/frame/400172

実は誰でも経験あるんじゃないでしょうか?

実は私、こんな椅子、欲しかったんです。その名はTwist Chair.まずはこの超個性的な座り方。何とも滑稽です。従来の椅子とは、考え方も座り方も、文字通り180度回転させちゃってますからね。普通に座ることに飽きて(疲れて)しばしば反転させて座っていたことがある私は、この椅子が作られた理由が分かるような気がします。休憩中には、背もたれに寄りかかることはありますが、仕事や勉強に集中していると、私たちはなかなか背もたれを使うことはありません。そんな状況を逆手に取った逆転の発想なのではないでしょうか?たいていの人は腕と肘を使って、机にもたれかかることが多いと思われます。このTwist Chairは従来の椅子にはない形で体を支えることができるのです。人によって人体の形がさほど変わらない胸部と頭部によって支えられます。また、シートの高さは60cmまで上げられます。普通に考えるとかなり高いですよね。この高さの設定というのは、座りながらにして、ほとんど立っている位置を許容する高さなのです。ですので、背もたれの角度さえ調整すれば、図のように高い位置での作業も可能となります。その角度というのが、90度から135度まで調整可能。ユーザーが前に乗り出すときは、シートと脚部の接合部に設けられたレールを滑らせることにより、傾くように設計されています。とにかく使う人によって、シートの高さ・サポート部の高さ・そして額を支える部分の高さまで、全て調整可能です。個人の使い方・体型の差をかなりカバーできるということですよね。背もたれの中央部には穴が開いており、そこから視界を確保し、背もたれの下部には作業ができるようにパイプのみで構成されています。見た目のユニークさだけでなく実用性も兼ねています。

オフィスを「見た目」から変えちゃう椅子です。

この椅子で仕事をしているところを、人に見られるのは最初のうちは抵抗があるかと思います。しかし、個人的観測では実際に座ってみると意外にも落ち着くんじゃないだろうかと思っております。とにかく斬新な座り方なので、好みがはっきり分かれることは間違い無さそうです。従来のワークスタイルに飽きた方にはこの一脚、ありなんじゃないでしょうか。[Text by Kentorou SONOI]

少しだけ疑ってみる。

道具ひとつとっても、従来の使い方を疑ってみる。子供の頃に考えたような全く別の視点から見てみる。リラックスした座り方で柔軟に頭を使う。そんなコンセプトが感じられるこの椅子。先に書いたように確かに滑稽な姿ではありますが、おかしな椅子だと考えるか、はたまた画期的だと捉えるかはあなた次第です。