豊かな気持ち、溢れる

作品名 雲雨(うんう)
作者名 平岡昌也
お問い合わせ先 Galerie RECOLTE
参照URL http://www.g-recolte.com/artist/masaya-hiraoka/

様々な感情を想起させる「雲雨」

平岡さんとの出会いは5年前。友人同士で一枚の絵を描いていたときに、共通の友人から紹介していただいたのです。その時はきちんとお話をすることができず、「3号倉庫のアーティストさん」とだけ記憶していました。その後、インターネットで検索し「3号倉庫」のHPで拝見したとき衝撃が走ったことを覚えています。真っ白のキャンバスに一色。平面ではなく、少し盛り上がりのあるシンプルな作品。見る側にいろんな想像をさせる。それでいて、心はすごく穏やかでした。直に作品を見たいと思う気持ちが強くなった事もあり、実際見に行くとインターネットのそれとは違い、スケール感を加味したさらに大きな衝撃を受けました。とても大きなキャンバスに動きのある凹凸。その上に雲のように乗る絵の具。作品の名前は「雲雨(うんう)」。シリーズ展開しているこの作品は、とてもやわらかくいろんな展開をしています。それでいて近づいて見るととても力強い。そのカタチ一つ一つにしっかり意識があり、細かく描かれている。作品に対してのめりこんでいきそうな感覚を覚えました。ほとんどの作品がそうだと思いますが、彼の作品は写真や言葉での説明より、直に見てもらうことが一番だと思います。作品にもよりますが、暖かい気持ちになれたり強い思いがぶつかる感覚になったり・・・。心や感情にぐっと響くものがあるのです。

“うんう”とは? 必ず作品につけているタイトル。文字通り、作品の名前である。 親は様々な想いで、願いを込め、子供に名前をつける。 その後の子供の人格 (作品の具体的方向性) と、直接的な関係では無い、 親の切実な願いである。 「うんう」もまた、作者 (私) の作品に対する理想であり、願いである。 ? うんう〈雲雨〉恵み − 雲のように広く覆い、雨のように降りそそぐ意から。 大事をなす機会 −〔三国史(呉書周瑜伝)〕雲や雨を得て竜が昇天するように。〜大辞林 第二版〜 ? 雨の日というのは特別な感覚に見舞われる。 気にも留めていなかったことが気になり、心に響く。 雨に対してというより、私自身や身のまわりの人や物に対する向き合い方が変わる。 日頃閉ざされている心の扉が開くといった感じだろうか? 結果、事物を深く考察する事で、より良い明日を生きるためのきっかけを得ることが出来ている。 人によってはそれが、 Cafe で飲む一杯の珈琲であったり、海に沈む茜色の夕日であったりするのだろう。 只々、作品が、そういった存在 ( うんう ) であってほしいと願っている。 ? 平岡昌也

平岡 昌也  Masaya Hiraoka
1980 福岡県生まれ(福岡県在住)
2003 九州産業大学芸術学部美術学科絵画コース 卒業
2003-2005 共同アトリエ「3号倉庫」メンバー
■受賞歴
2000 第8回新日鐵 Art Scholarship ?入賞 (第10回? 入賞)
2003 九州産業大学芸術学部卒業制作展? 買い上げ賞
2003 共同アトリエ・3号倉庫
    ア−ティスト・イン・レジデンス プログラム 受賞
2004 Free ART Free 2004  TDKデザイン賞
2005? TOKAY GECKO AWARD 2005 大賞
2005? 碧 ア−ト公募2005 審査員特別賞
2007 TOKAY GECKO AWARD 2007 準大賞
■パーマネントコレクション
株式会社 碧
九州産業大学
福岡物産(株)
ドルドーニュ美術館

オフィスとアートはもっと近くて良い。

? オフィスにアートがあるのはおかしいですか?いいえ、そんなことはないはずです。むしろオフィスを造る上で今一番足りないものはアートかもしれません。芸術はモノ(アート)と人の感情さえあれば成立するもの。会社で働いている人は一日の大半をオフィスで過ごす。それなのに現状では、さして特徴のないデスク、イス、間仕切り、床の貼り分けに囲まれています。 休憩室すらないところだってあります。そんな空間で会社を、社会を、世界を変えるアイデアが果たして生まれうるのか。そうでなくても、一日の大半を過ごすなら、もっと快適な居心地のいい空間で過ごしたい。 家はこだわっても、なぜオフィスがこだわれないのか? 単純にそう思うのです。その問題を打破する手段のひとつとして、アートもあると思うのです。アート一つ取り入れることで、精神的、感覚的な変動を体感できる。もっと言えば、癒しや安心、またはやる気などの気持ちの変化に つながるのではないかと。さらに、好きなアートがあれば、言葉ではなくてもお客様をお迎えする気持ちが伝わりますし、当然会社のシンボルにもなり得ます。 そう考えると、オフィスとアートはもっと近くても良いんじゃないでしょうか。

10月に個展があります!!
平岡さんの作品を体感してください。

平岡昌也 展  ―Atman アートマン―
(企画・主催 Galerie RECOLTE)
会 期: 10/27 tue-11/8 sun
時 間: 11:00-19:00(最終日17:00まで)
休廊日: 月曜日
会 場: Galerie RECOLTE
     810-0028 福岡市中央区浄水通5-10 B1F
     Phone 092-521-6293
     http://www.g-recolte.com

2009年1月、福岡で活躍が期待される若手美術家三人に選ばれ福岡市美術館主催の展覧会「21世紀の作家−福岡bis」で作品を発表。今回、次の展開として、新シリーズ―Atman アートマン―を発表する。半立体の小さな抽象画を無数に使用し、具体的には「雲・雨」をモチーフとした、[水循環]を彷彿する風景画的絵画作品の展覧会。 (※「Atman」ア−トマン = ヴェーダの宗教で使用される用語。意識の最も深い内側にある個の根源の意。)

「豊かな気持ち、溢れる」

オフィスにアートを取り入れる。難しいようで、実は凄く自然なことだと思います。知的生産性が叫ばれる中、刺激を受けたり、優しい気持ちになれたりと、気持ちに揺らめきを与え、良いアイデアや円滑なコミュニケーションを促すことは現代のオフィスにおいて重要なファクターです。そしてアートにはその力が十分にあります。豊かな気持ちがオフィスに溢れる。そんな文化を育てたいです。